秋華賞考査【ダイワスカーレットの速さと不安】

　ダイワスカーレットの戦歴をみると驚く無かれ新馬戦を除く５レース全てが上がり３Ｆ３３秒台という脅威の末脚。これが差し馬ではなくて逃げ先行でのことなので余程の決め手がない限り後続馬が追いつくはずがない。それでも、シンザン記念とチューリップ賞では差されているのだから先着した２頭の決め手は相当なもの。シンザン記念で先着したアドマイヤオーラはダービーで３着の実力馬、チューリップ賞で先着したウオッカはダービー馬だから、単純に比較してもダイワスカーレットも相当な能力の持ち主。兄は国内外でＧ１を５勝しているダイワメジャー。ダイワメジャーと言えば先行抜け出しで後続を封じる競馬が得意な馬。そのダイワメジャーの鞍上も安藤勝己なのだからこれも巡り合わせなのかもしれない。スタートが良くて、抑えも効くので終いもしっかり伸びる。ローズＳも逃げているので上がりが掛かっているように見えるが終わってみれば上がり３Ｆは３３秒６。この馬にとっては６０秒前後で流れるのがベスト。そうなれば先行抜け出しで勝てると思う。



　ダイワスカーレットにとっての不安とは速すぎる流れになること。これまではペースが遅く抑えて行って、上がり３３秒台の競馬をしていたが流れが速くなった場合はどうなるだろう。折り合いはむしろ良くなるがそれで弾けるかは未知数。また、桜花賞をスピードで勝った馬はそのスピードが諸刃の剣となってしまうこともある。桜花賞を勝って、秋華賞も勝っている馬はテイエムオーシャン、スティルインラブ、ファレノプシスの３頭。ラインクラフト（２着）、ダンスインザムード（４着）、チアズグレイス（４着）、キョウエイマーチ（２着）などはそのスピードが生かし切れなかった。気になるのはキョウエイマーチとメジロドーベルの関係とダイワスカーレットとウオッカの関係が似ていること。メジロドーベルは古馬のオールカマーに勝ち、秋華賞にも勝った。ウオッカはダービーを勝つなど世代の牝馬の中では抜けた成績を収めている。キョウエイマーチもオークスで惨敗した以外はスピードの違いで押し切って来ている。ダイワスカーレットとキョウエイマーチを同じように考えるのは無理があるかもしれないが、気になったので取り上げてみた。まあ、取り越し苦労になったらそれはそれで良いのですが・・・。

馬データ　ダイワスカーレット

レース検索・桜花賞馬の秋２戦成績

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