最近、キーワード検索で多いのが「近藤利一 武豊」。やはり日本ダービーでアドマイヤオーラの乗り替わりについて気になる人が多いのだろう。その事情については各メディアや個人ブログなどで憶測なされているが、実際のところはわからない(関わっている人は知っているだろうが外には出てきていないでしょう)。アドマイヤオーラが武豊から岩田康誠に乗り替わった時に僕もTARGETでデータを集計して『[RBN] 何故、アドマイヤオーラが武豊から岩田康誠に乗り替わったかをデータで検証』を書いたが、ここでは「騎手・武豊と馬主・近藤利一と調教師・松田博資」のアドマイヤオーラに関わった人々にしてのデータでした。今回は「騎手・武豊と馬主・近藤利一」についてTARGETで調べてみました。
馬主・近藤利一氏は1984年に馬主登録して現在はアドマイヤの冠名で数々の有力馬を所有しているが、初めての持ち馬はカイタイオーという馬。管理していたのは今でも近藤利一氏の馬を多く管理している橋田満厩舎でした。武豊が近藤利一氏の所有馬に初めて騎乗したのは1993年に小林稔厩舎のローズオブクラウン。その後も騎乗はしているが年数鞍だった。そして1999年にアドマイヤベガで日本ダービーを制覇すると一気に騎乗数が増えた。何故、アドマイヤベガに武豊が騎乗する事になったかは不明だが、武豊は母ベガに騎乗して桜花賞とオークスを制覇しているのでもしかしたらそういう縁があったのかもしれない。その後のアドマイヤと武豊の活躍は目覚ましく、G1勝ちがそれほど多くはないが常に人気になるような馬が重賞レースに出走している。以下に近藤利一氏の所有馬のG1勝ち馬を出してみました。
近藤利一所有馬のG1勝ち馬
日付 | レース名 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | 人気 | 距離 | 調教師 |
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050327 | 高松宮記G1 | アドマイヤマックス | 牡6 | 武豊 | 57 | 4 | 芝1200(B) | (栗)橋田満 |
041114 | エリザベG1 | アドマイヤグルーヴ | 牝4 | 武豊 | 56 | 2 | 芝2200(B) | (栗)橋田満 |
040222 | フェブラG1 | アドマイヤドン | 牡5 | 安藤勝己 | 57 | 1 | ダ1600 | *(栗)松田博資 |
031116 | エリザベG1 | アドマイヤグルーヴ | 牝3 | 武豊 | 54 | 2 | 芝2200(B) | *(栗)橋田満 |
020602 | 安田記念G1 | アドマイヤコジーン | 牡6 | 後藤浩輝 | 58 | 7 | 芝1600(B) | (栗)橋田満 |
011209 | フューチG1 | アドマイヤドン | 牡2 | 藤田伸二 | 55 | 1 | 芝1600(A) | (栗)松田博資 |
990606 | 東京優駿G1 | アドマイヤベガ | 牡3 | 武豊 | 57 | 2 | 芝2400(B) | (栗)橋田満 |
981213 | 朝日杯3G1 | アドマイヤコジーン | 牡2 | ロバーツ | 54 | 1 | 芝1600(A) | (栗)橋田満 |
次に近藤利一氏の所有馬の騎乗騎手を調べてみた。期間別で3つのデータを出してみました。左から初出走の1987年から2007年6月3日まで、2005年から2007年6月3日まで、2006年から2007年6月3日まで。
これを見ると武豊騎手が騎乗数も勝利数も多いのがわかる。しかし、2005年には岩田康誠騎手の騎乗数が一気に増えている。2007年のデータは出していないが、武豊騎手の騎乗数はたったの6レース。しかも、厩舎は松田博資厩舎(5鞍)、藤沢則雄厩舎(1鞍)だけだった。アドマイヤマックス、アドマイヤグルーヴを管理していた橋田満厩舎の馬には騎乗していないのがわかった。
2007年は橋田満厩舎が管理する近藤利一氏の所有馬に武豊騎手が騎乗していないと言うことは近藤利一氏が武豊を起用することを完全に止めたのかもしれない。このまま近藤利一氏の所有馬に武豊は騎乗出来ないのか、それともいつかは騎乗するのか。その時が来ればまた話題になるでしょうね。
アドマイヤの冠では近藤利一氏の妻で近藤英子氏も所有しているが、こちらは集計していない。近藤英子氏の所有馬ば管理する調教師も違うので。以下に「馬主:近藤利一 騎手:武豊 調教師別集計」「馬主:近藤利一 騎手:武豊 年別集計」のデータを掲載しました。近藤利一氏と調教師の関係については第2弾として掲載したいと思っています。
集計期間:1987.12. 6 ~ 2007. 6. 3 | 集計期間:2005. 1. 1 ~ 2007. 6. 3 | 集計期間:2006. 1. 1 ~ 2007. 6. 3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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馬主:近藤利一 騎手:武豊 調教師別集計
順位 | 調教師 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
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1 | (栗)橋田満 | 43- 18- 14- 78/153 | 28.1% | 39.9% | 49.0% |
2 | (栗)松田博資 | 10- 3- 1- 11/ 25 | 40.0% | 52.0% | 56.0% |
3 | (栗)藤沢則雄 | 5- 3- 3- 11/ 22 | 22.7% | 36.4% | 50.0% |
4 | (栗)作田誠二 | 3- 2- 2- 8/ 15 | 20.0% | 33.3% | 46.7% |
5 | (栗)小林稔 | 1- 5- 1- 3/ 10 | 10.0% | 60.0% | 70.0% |
6 | (栗)鹿戸幸治 | 3- 2- 0- 4/ 9 | 33.3% | 55.6% | 55.6% |
7 | (美)小島太 | 2- 1- 1- 2/ 6 | 33.3% | 50.0% | 66.7% |
8 | (栗)坪憲章 | 1- 2- 0- 3/ 6 | 16.7% | 50.0% | 50.0% |
9 | (栗)友道康夫 | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
10 | (栗)小野幸治 | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
11 | (栗)森秀行 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12 | (栗)中尾秀正 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13 | (美)的場均 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
14 | (栗)安田隆行 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
15 | (美)二ノ宮敬 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
16 | (美)河野通文 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
馬主:近藤利一 騎手:武豊 年別集計
年・年月 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
2007年 | 2- 0- 0- 4/ 6 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
2006年 | 10- 5- 2-19/36 | 27.8% | 41.7% | 47.2% |
2005年 | 9- 7- 4-26/46 | 19.6% | 34.8% | 43.5% |
2004年 | 10- 2- 2-18/32 | 31.3% | 37.5% | 43.8% |
2003年 | 11- 4- 3-11/29 | 37.9% | 51.7% | 62.1% |
2002年 | 5- 1- 1-10/17 | 29.4% | 35.3% | 41.2% |
2001年 | 2- 3- 3- 8/16 | 12.5% | 31.3% | 50.0% |
2000年 | 7- 1- 4-15/27 | 25.9% | 29.6% | 44.4% |
1999年 | 9- 7- 1-10/27 | 33.3% | 59.3% | 63.0% |
1998年 | 3- 0- 0- 3/ 6 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
1997年 | 1- 4- 0- 2/ 7 | 14.3% | 71.4% | 71.4% |
1996年 | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
1995年 | 0- 1- 1- 1/ 3 | 0.0% | 33.3% | 66.7% |
1994年 | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
1993年 | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
コメント
色々変動が感じられる競馬界、これからどうなる?って感じですね。
(エージェントごとの騎手色分け、早速頂戴いたしました。)
「色々」と申し上げましたが、私が興味を持っているのが、最近のG1の荒れ具合。
過去のデータ通り・・・といかないのも、荒れる要因ではないかと思ってます。
SS直仔が少なくなった最近の競馬界。
SSの死が革命だとすれば、その後の動乱は当然のようにも思えるのですが。
今さら・・・と思われるかもしれませんが、最後に生れた仔が走るのはSS亡き2年後。
風化すると案外気づきにくいことかもしれません。
のび太さんのご意見聞かせてください。
私は騎手への影響の要因にもなっている気がします。
こんにちは、ヒモカラジクヲ さん。
今年のG1の荒れ方には参っていますが、これも競馬ですから。
G1に出走するような馬はトライアルで権利をとったり、既に実績を上げたりと
それなりの実力を持った馬たちです。18頭いれば18頭が勝つチャンスがあり
その順位付けを競馬ファンやメディアが勝手にやっているだけで
人気がない馬が来た時は自分の見る目がないと諦めるしかないと思っています。
確かにSSが亡くなった後はSSような種牡馬がいないのも荒れる要因のひとつ。
また、安藤勝己や岩田康成の台頭。若手騎手のレベルアップ。若手調教師の調教技術の
レベルアップや競走馬の番組選びの多様化なども荒れる要因のひとつ。
それと、JRAの番組をいじり過ぎているのが競馬を難しくしているのも要因のひとつかと。
今は古い競馬社会から新しい競馬社会への変革期ではないかと思っています。
まあ、荒れてはいますが誰かは儲けているわけで
その仲間入りに為にも最近は騎手に注目をして研究しています。
早速のご意見ありがとうございます。
のび太さんは色々視野をお持ちで、大変参考になります。
(いつもブログの方でも参考にさせていただいてます。)
私も色んな視点から・・・と考え、それを馬券に生かそうとしてきましたが、裏目ばかりで、最近は馬鹿になりきることにしてます。
1つの事にこだわって、自分の順番がきたら当たりという考え方です。
特に最近は騎手を注目されてらっしゃるということですが、非常に興味深いと感じました。
私も以前、政治騎手という本を読んでエージェントという存在を知り、そこから予想したりしました。私の場合さっぱりだったのですが・・・。
しかしのび太さんの引き出しの多さからすれば、騎手攻略も効率よく進むと思いますので、ご健闘期待してます。
できれば記事にしていただいて、参考にさせていただければ・・・と甘い期待も・・・w
貴重なお時間割いて、コメントしていただきありがとうございました。