いよいよ夏競馬本番となるが、函館、札幌、小倉という競馬場は美浦・栗東トレセンから遠距離にあり各厩舎はどこの競馬場を使うかによって競走馬をその競馬場に滞在させるかを決めるが、果たしてどうやって各厩舎の馬房数を決めているのだろうか。まずは「出張馬房」で検索してみたが馬房数についての記述は見つからなかった。検索結果には一口馬主の方のブログが多くヒットして、その内容を読んでみると「出張馬房が空いていないので遠距離輸送をしなければならない」みたいな事が書かれていた。ということは、馬房に空きがない馬は、レースを使ってまたトレセンまで帰って来なければいけない。それは、滞在している馬に比べると大変なリスクがある。特に北海道なら大変だと思うが、そういうことは新聞等でほとんど分からない。
と言うことで出張馬房についてJRAに問い合わせたところ、各競馬場の出張馬房数は以下の数だと返事がきた。この中で小倉、函館、札幌については「調教師に対し一定の馬房の割当てがありますが、ある競馬場により多くの馬を遠征させたいと考える調教師同士の馬房の交換はできるようになっております。」という事になっている。
現在、220名の調教師が8462頭の競走馬を管理して、そのうち4115頭が在厩している(TARGET frontier JV調べ)。と言うことは函館が700馬房、小倉が600馬房、新潟が600馬房で合計1900馬房。新潟は輸送競馬が出来るのでまだいいが函館と小倉は滞在競馬になるので管理馬(在厩馬)の数からすると少ない。ちなみに1回函館の出走馬を調べてみると808頭いた。と言うことは単純計算で200頭ぐらいが入れ替えを行っているか、輸送競馬をしていると言うことだね。函館・札幌を拠点にしている調教師は早くから馬房を確保していると考えていたが、まんざらはずれではなかった。1回函館で一番おおく馬を走らせていたのは伊藤圭三厩舎の15頭(3勝)、ついで藤沢和雄厩舎の13頭(2勝)、中村均厩舎の12頭(4勝)、加賀武見厩舎の12頭(2勝)となっていた。
出張馬房がどこにあるのか気になったのでGoogle Mapsで競馬場を検索すると競馬場の回りにいっぱいあるのが分かりました。これまで、なんどもGoogle Mapsで競馬場を見ましたが、出張馬房については気にしていませんでしたよ。
競馬場 | 出張馬房数 |
札幌 | 700 |
函館 | 700 |
福島 | 460 |
新潟 | 600 |
東京 | 300 |
中山 | 300 |
中京 | 450 |
京都 | 300 |
阪神 | 300 |
小倉 | 600 |
コメント
「出張馬房数」というのは直前(当日)輸送で競馬場に持ってきた馬を入れる馬房も含めた数ですので、例えば新潟だと「600頭滞在できる」わけではないです。また、阪神や京都なら「関東馬用の馬房数」が決まっていて、東京や中山では「関西馬用の馬房数」が決まっているので、事情が違います。ちなみに阪神と京都はほぼ同数、東京は中山より多いですが、阪神+京都(の関東馬用)=東京+中山(の関西馬用)。したがって中山には関西馬の遠征が少なく、東京には多いということになります。また、福島は「その週の出走馬」以外に回す馬房数が少ないので、関東馬の滞在が禁止されています。
あと、北海道では競馬場入厩→競馬の後すぐに近郊牧場へ→再度入厩ということを繰り返す場合が多く、使ってトレセンに戻し、また輸送、というケースはほとんどありません。福島や新潟に出走できないことが確定した馬を木曜や金曜に北海道へ輸送するということは頻繁にありますが。
さらに、北海道の馬房数は1厩舎いくつと決まっているので、多く滞在させたい場合は他厩舎と新潟や福島の馬房と交換するなどの手段を取って増やします。したがって「早くから確保」という感じではないですね。
なんだかまとまりがなくて申し訳ありません。
こんにちは、10さん。
貴重なアドバイスありがとうございます。
なるほど、それぞれの競馬場によって事情が違うわけですね。
よく考えれば分かるようなことですが、そこまで詳しくは知りませんでした。
今後もアドバイスよろしくお願いします。
PS.最近はダート予想はしないのですか?