菊花賞の回顧「アサクサキングスがスタミナ勝負を制する」

　レースは予想通りにホクトスルタンがジワッと先頭に立った。坂を下りから徐々にペースダウンをして後続を引きつけ、直線でペースアップして向こう正面で再度ペースダウン。変化を付けたラップでホクトスルタンの逃げに、掛かり気味のヴィクトリー、サンツェッペリンがくっついて行く。離れた５番手にアサクサキングス、中段の内にロックドゥカンブ、最後方にドリームジャーニー。１０００ｍ通過は６０秒７でやや早め、１コーナーから２コーナーに掛けてはゆっくり進んで次の１０００ｍは６３秒６のペースダウン。そして、３コーナーから４コーナーに掛けて徐々にペースアップして行く。ここで、アサクサキングスの四位洋文が仕掛けて前に、直線は早めに先頭に立ってアルナスラインとの接戦を制した。ロックドゥカンブは内枠で控えたのが災いした。先行できるけど控えた事で直線はごちゃつき、動きたいところで動けずに脚を余してしまった。大事に乗りすぎた感じがした。エーシンダードマンは血統がなせる技なのかドリームジャーニーとの差し争いで先着した。長距離なら結構走るかもしれない。ドリームジャーニーは動かすと伸びがジリジリになってしまうのでこの結果は仕方がない。３コーナーから４コーナーに掛けて位置取りを押し上げて、直線脚を伸ばすのは菊花賞を差し馬で勝つときの乗り方。武豊としては完璧な競馬が出来たと思う。もう少し前で競馬が出来るように馬の気性が成長すればもっと走って来ると思う。



　ヴィクトリーもフサイチホウオーも掛かっていた。これでは３０００ｍ戦では勝てない。先行勢をつぶしたホクトスルタンの６着は立派。もう少し平坦なラップを刻めればもう少し粘れたかもしれない。あれだけ、ラップの変化を付けても大きくバテていないのだからスタミナはある。これから力を付けてくれば天皇賞春辺りは楽しみな１頭になって来ると思う。



　珍しく２週連続でＧ１が当たってしまった。馬券が当たった事も嬉しいが、予想通りに的中出来たことの方が嬉しい。予想でアサクサキングスのことを「スタートである程度前に行き、そこで折り合いながら進んで直線脚を伸ばす。実に理想的な競馬が出来る馬。」と評価かしたのは間違っていなかったな。

成績・2007年4京7/11R 菊花賞

LAP　12.9-11.7-11.7-12.8-11.6-11.9-13.4-12.6-12.9-12.8-12.6-12.0-11.6-11.9-12.7

通過　36.3-49.1-60.7-72.6　　上り　73.6-60.8-48.2-36.2　　平均　1F:12.34 / 3F:37.02

1000mごと 60.7 – 63.6 – 60.7

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