宝塚記念考査【コースと通過ラップを考えてみた】

　宝塚記念のラップを阪神競馬場のコース図を見ながら考えると最後の１Ｆが時計が掛かるのがよく分かる。そして、阪神２２００ｍが特徴あるコースだと言うことも分かった。このコースはスタート地点から少しずつ下ってゴール前２００ｍで高低差２ｍを駆け上がりゴール前を通過して１コーナーから２コーナーへ。１コーナーから向正面を通って３コーナー半ばまで平坦で、そこから６００ｍの緩やかで長い下り、そして１００ｍ上ってゴールと。これをラップタイムでみるとスタート後はスピードがのらないので１２秒台だがすでに下りを走っているので一気に１１秒台を刻み、勢いがあるので上りでも１１秒台。ここを逃げ馬が馬なりで逃げるのと、逃げ争いして行くのとでは大違い。そして、１コーナーから２コーナー、向正面と平坦が続くのでラップも落ち着く。このままの隊列で行くかと思えば勝ち馬の通過順をみると２コーナーから３コーナー、そして４コーナーに掛けて順位を上げている。これが何を意味しているかと言えば向正面から有力馬が徐々にペースを上げて馬群が縮まっているのではないかと思う。そして、早めに有力馬が動いて最後は地力勝負というのが宝塚記念というレース。

　阪神競馬場　コース図

　１人気が予想されるメイショウサムソンが地力では一番だと思っているのでこの馬の動きに注目したい。メイショウサムソンのこれまでのレースでの通過順をみると３コーナーから４コーナーで順位を上げているときに勝つことが多い。これは、エンジンの掛かりが遅いメイショウサムソンが勝つための勝負ポイントとなる。ここで、動けるようだと調子が良くて勝つ。ここで、動けないようだと勝てない。また、メイショウサムソンが勝った皐月賞、ダービー、産経大阪杯、天皇賞春のラップをみると最後の１Ｆが掛かっていた。万全の体制で挑んだ菊花賞では最後の１Ｆが１１秒９でこの馬には速い上がりで対応が出来なかった。阪神コースと宝塚記念の流れからするとメイショウサムソンにとっては有利な展開になると思う。

　今回出走する馬で逃げそうなのはアドマイヤメイン、ローエングリン、コスモバルク。この３頭の中でコスモバルクはファイトむき出しタイプなので掛かってしまう可能性がある。また、ローエングリンは後藤浩輝が２走前に逃げて勝っているし、３歳時はこのレースを逃げて粘っている。思い切って下げて終いを生かす競馬をしたこともあるが、馬場が渋るようだと後藤浩輝の性格から逃げるような気もしている。この逃げ争いがスタート後に繰り広げられるとペースはやや早めか。

　シャドウゲイト、アサクサキングスなどが先行策で、先に挙げた３頭が出遅れたり控えたりすれば行くと思う。そして、スタートのいいダイワメジャー、メイショウサムソンが続く感じ。アドマイヤムーンはメイショウサムソンをマークするのか控えるのか。ウオッカはダービーで距離を克服したものの流れに乗ってのことで、有力馬が牽制しあったのとか通った場所とか多少恵まれた感じがあった。自分から動けるタイプだが、自力勝負になったときは果たしてこの馬の決め手を生かすことが出来るか。

　金曜日の馬場状態は稍重。このまま雨が降って土曜日の競馬を迎えるのと、晴れて土曜日の競馬を迎えるのでは大違い。明日の天気が気になるところだが、馬場が悪くなるようだと適正がからんでくるのでまた難しくなるね。

タイム分析・宝塚記念 【芝2200m】

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