天皇賞（秋）の回顧「自然体の横山典弘と意識しすぎた武豊」

　天皇賞はカンパニーが直線鮮やかに抜け出して勝った。ラップなどをみるとほぼ毎日王冠と同じような流れで、同じような位置取りから伸びてきた。スタート後にどの馬が行くのかがハッキリしなかったが、外からエイシンデピュティが押して行って流れが落ち着いた。エイシンデピュティの鞍上戸崎圭太のアクションが大きかったのでペースは速いかと思ったらそれほどでもなく、１０００ｍ通過が５９秒８ならちょっと遅いぐらい。こうなると上がりの競馬になって決め手のある馬が勝つレース。



　毎日王冠で上位にきたカンパニーが勝ってもおかしくない。横山典弘はカンパニーに何度も騎乗して、後ろから行ったり前に行ったりといろいろな位置取りで競馬をさせていた。それが、今回生かされたように思える。後ろから行くと届かないケースがあり、前に行って粘り込む。でも、Ｇ１ともなれば前に行っても粘れない。前に行けるだけのダッシュ力が身に付いているので、スタート後にどこのポジションに付けることも出来る。しかも、折り合いに心配がないのでペース次第でどのような競馬でも出来るのがこの馬の強み。まあ、終わってから気がついてもしょうがないがひとつ勉強になった。



　ウオッカは勝てるかもしれないレースを落としたと思う。毎日王冠は行く馬がいないので逃げたのは仕方がないが、今回はもう少し前で競馬をすると思っていた。今回の負けパターンはヴィクトリアマイルで２着になったときと同じ。負けたのは前走で行ってしまったことが武豊の頭にインプットされていて、控えなければという事を意識しすぎたかも。前がやり合っていても関係なく先行で押し切れるのがウオッカだが、決め手に過信があるから取りこぼす。今年の安田記念の時とは流れが違うからね。どの馬も苦しい状態からならウオッカに分があるが、どの馬も３３秒台の脚を使っている場合はウオッカがいい脚を使っても前がなかなか止まらない。結局、スクリーンヒーローも捕まえきれなかった。

　

　ＴＡＲＧＥＴにはＰＣＩという指数があり、ウオッカが古馬になってから負けたレースは全て上がりの競馬だった。天皇賞の勝ちタイムは昨年と同じだが流れが違ったことがウオッカが負けた要因のひとつだと思う。



　僕の予想はウオッカ、ドリームジャーニー、カンパニーの順の位置取りでドリームジャーニーが差しきるというイメージだったが結果は全然違いました。完敗ですね。マツリダゴッホは流れが合わなかったし、サクラメガワンダーは出来がもう一つだったみたいですね。

天皇賞（秋）の結果

LAP　13.0-11.2-11.4-12.0-12.2-12.0-11.7-10.8-11.3-11.6

通過　35.6-47.6-59.8-71.8　　上り　69.6-57.4-45.4-33.7　　平均　1F:11.72 / 3F:35.16


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