重賞回顧「進化著しいスズカフェニックス」

　高松宮記念

　１着◎スズカフェニックス
　２着　ペールギュント
　３着○プリサイスマシーン

　ラップ　12.0-10.6-11.2-11.4-11.8-11.9

　武豊はスタートしてスズカフェニックスを下げずにそのまま行かせた。そして、３コーナー過ぎから進出して４コーナー出口ではプリサイスマシーンに並びかけ、先に抜けだしてもたつくプリサイスマシーンのハナ面をカットするようにして伸びてきた。道中の手応えといい、追ってからの伸びといい、予想以上に強かった。逃げたディバインシルバーは前半３３秒８で逃げたが直線の入り口で脱落。２番手を走っていたエムオーウイナーが押し出されるように先頭に立ったが伸びはジリジリ。結局、内を通った先行馬はバテてはいないようだが伸びなかった。ペールギュントはスズカフェニックスの外で進めて、スズカフェニックスが先に仕掛けると追いかけるようにしていた。プリサイスマシーンとの２着争いをかろうじて制して波乱を演出した。今回の好走は、具合もいいのだろうが、外枠と渋った馬場と距離短縮が良かったのだろ。これが、内枠だったらこうはいかなかった。プリサイスマシーンの敗因は安藤勝己さんが首をひねるように僕にも分かりません。ただ、スズカフェニックスとの能力差はハッキリしたな。

　マーチＳ

　１着　クワイエットデイ
　２着　トーセンブライト
　３着△ヒカルウイッシュ
　８着○クーリンガー
　９着◎ビッググラス

　ラップ　12.1-11.3-12.0-12.3-12.1-12.5-12.9-12.8-13.4

　１０００ｍ通過が５９秒８というハイペースで、しかも先行争いが激しく１コーナーの入り口で外にふられた馬は総崩れ。勝ったクワイエットデイは角田晃一のファインプレイ。スタート後に各馬が前に行くと斜めに内に入って、そこからは終始内に固執して、直線も内を突いて伸びてきた。軽い馬場の適正もあるが、展開の読みといい、決め打ちでコースロスなく騎乗したことといい角田の技ありだった（パトロールビデオを見るとよく分かる）。トーセンブライトは先行勢の後ろで折り合い、淡々とレースを進めて直線伸びてきた。ポジションといい流れといい、この馬に向いた流れだったように思える。ヒカルウイッシュは直線勝負でよく伸びてきた。じっくり溜めればこのぐらいの脚は使えると言うことか。ビッググラスはスタートが良すぎたのが裏目。スタート後にオーガストバイオに弾かれバランスを崩し、１コーナーでは外にふられ、４コーナーでも外にふられた。まあ、村田だから仕方がないとあきらめるしかないかな。

　日経賞

　１着◎ネヴァブション
　２着△トウショウナイト
　３着○マツリダゴッホ

　ラップ　6.9-11.5-12.1-11.8-12.3-12.7-12.8-11.9-11.6-12.1-12.1-11.5-12.5

　予想通りに上がりの競馬になったがインテレットの後藤が逃げたので予想よりも早めの流れだった。マツリダゴッホにとっては１３秒台に落ちなかったのが良かったのか折り合っていた。４コーナーから直線の入り口で早めに動きだしたが、ゴールまで止まってしまった。見ているともう少し我慢できなかったのかと思ってしまう。ネヴァブションの北村宏司はマツリダゴッホを終始見る形でレースを進め、さすがに重賞の流れだけあって勝負所では手が動いたが直線はいい脚を使ってくれた。折り合いに問題がなくていい脚が使えるから今後が楽しみ。トウショウナイトにとっては平均ペースで流れて上がりもやや掛かったから展開はバッチリだったが最後は斤量差がでてしまった感じ。

　毎日杯

　１着○ナムラマース
　２着▲ヒラボクロイヤル
　３着　ニュービギニング
　６着◎メトロシュタイン

　ラップ　12.6-10.8-11.4-13.0-13.0-12.7-11.5-11.0-12.0

　勝ったナムラマースは実力通りに走っただけ。今回はいつもよりも反応が良かったように思える。調教の良さがそのまま結果に結びついたのかも。ヒラボクロイヤルは後方からよく伸びた。仕掛けてからの反応が良くていい脚を使う。ウオッカといいタニノギムレット産駒はいい決め手を持っている。ニュービギニングはおっとりとしたお坊ちゃんのような競馬だね。まだ、能力全開で走っていない感じ。上がり３Ｆ３３秒９の脚を使えるのだから、パンとしてくれば走ってくるんだろうな。それが、いつかって話だ。本命に推したメトロシュタインは先行してくれなかった。それほど決め手があるタイプではないので先行して粘り込みを期待したのだがガッカリ。逃げたトーホウレーサーが５着なので先行していれば・・・・。