有馬記念の過去24年の成績を集計してラップタイム、上位馬の通過順、前後半のハロンタイムなどを出してみた。レースの流れを作るのは逃げ馬。今年はコスモラピュタが出走してくればこの馬がハナを切るだろう。もし、出てこないとなるとどの馬が逃げるか分からないだけにちょっと難しい。まあ、どの馬が逃げるかを考えても仕方が無いのでコスモラピュタが逃げると仮定してみる。
過去のラップタイムでペースが速いか、遅いかを判断するのにはPCIを基準にしている。これは、ペースチェンジ指数を意味し、上がり3ハロンの位置を分岐点とし、その前後の走破タイムからそれぞれ速度を計算して、その比を表したものです。3ハロン前後でどれだけ速度が変わったかを表しています。数値が約50で前後半が同一程度のペースになり、それより小さい値だと、後半の速度が低下したことを意味し、大きい場合は、速度が速くなったことを意味しています。
また、各ハロンタイムで赤表示が11秒台、青表示が12秒台、黒表示が13秒台、背景色が緑が10秒台なので前半に赤表示が続いているレースはハイペース、前半に赤表示のないレースはスローペース、中間に黒表示が多いレースは中だるみなどある程度の判断が出来る。ただし、これは逃げ馬のラップなので全体の流れと違う事は認識しておく必要がある。
勝ち馬の位置取りを見ると過去24年で4コーナー10番手以下だったのはディープインパクトとテイエムオペラオーだけだった。昨年のドリームジャーニーも早めに動いて4コーナーでは8番手。ここから一気に伸びてきてブエナビスタを差しきった。過去の差し馬で勝った馬を見るとコーナー順を上げているのが分かる様に後方一気の馬では勝てない。後方一気では2着までが精一杯。だから、流れに関係なくある程度動ける馬がいい。
上がりタイムですが、切れる馬でも上がり3Fが意外と掛かっているのが分かる。33秒台の脚で上がってきたのはディープインパクトとマンハッタンカフェだけ。マンハッタンカフェの時は前半が遅くて上がりの競馬になり全体の上がりも早かった。ディープインパクトは例外で平均ペースでこの上がりはちょっと異常で、上位馬で早い上がりを出したのは4着のドリームパスポートで34秒9ですからどれだけディープインパクトが凄いかがよく分かる。有馬記念では切れる脚は必要なく、どれだけ長くいい脚を使えるかが鍵になる。そういう意味で厳しいレースを経験している馬が上位に来る。厳しいレースとはよどみがない流れでレース中盤からペースが速くなるようなレース。今年では言えばジャパンカップ、天皇賞秋など。
これらのレースでどのような競馬をしたか。また、有馬記念と菊花賞は流れが似ていることもあり3歳馬の活躍が目立つので、ジャパンカップ、天皇賞秋、菊花賞のレースをよく見ておいた方がいいと思う。
過去の記事
[RBN] 有馬記念考査【タイム分析】(2008年)
[RBN] 有馬記念考査『過去のタイムから考える』(2009年)
有馬記念 過去24年のタイム分析 ラップタイム
有馬記念 過去24年のタイム分析 前後半ハロンタイム
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