秋華賞回顧「やはり社台系ばかりだった」

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 今年の秋華賞は見応えがあった。ジェンティルドンナにとっては3冠がかかったレース。ヴィルシーナにとっては春の雪辱をはらすレース。レース運びの違う2頭がどんなレースをするのか楽しみであったが、小牧太の粋な演出のおかげで想像以上に面白いレースとなった。



 ゲートが開いて真っ先にハナに行ったのがヴィルシーナと内田博幸。内田は差し比べではジェンティルドンナにかなわないのはローズSで分かったので先手を取り、レースの流れを作って自分から動いて勝ちに行く作戦。外からメイショウスザンナが馬なりで来たが福永も無理をせず控えてくれたので絶好の展開に。



 ジェンティルドンナは外枠と言うこともあり無理せずに中段の馬群に入れての競馬。しかし、ペースが落ち着いた事と内田博幸が先手を取ったことで岩田康誠には少なからず焦りがあったのでは。それを、打ち壊したのが小牧太。レースが向正面に入ったところでスローペースに嫌気をさしたチェリーメドゥーサと小牧太が一気のマクリで先頭に。前走も同じような競馬をしているチェリーメドゥーサだから、小牧もこの馬のしぶとさに掛けたのかもしれない。



 直線に入ってセーフティーリードをとったチェリーメドゥーサに観衆のざわめき。2番手のヴィルシーナはコースロスなく内田博幸に激ムチに応えて必死に伸びる。ジェンティルドンナは4コーナー入口から岩田康誠がムチを入れる。直線に入るとジェンティルドンナにエンジンが掛かりグイグイ伸びてきた。チェリーメドゥーサを射程圏に捕らえ、一気に先頭に立つかと思ったら、したたかな内田博幸は右ムチでヴィルシーナをジェンティルドンナに合わせる形に。岩田康誠はこの形を避けたくて右ムチを入れていたがジェンティルドンナは内へ内へ。最後は2頭が並んでゴール板を通過。どっちが勝ったかレースリプレイでは判別がつかないほど。結果は7センチ差でジェンティルドンナが3冠を手に入れた。



 3着に入ったアロマティコと佐藤哲三は実に上手い競馬をした。4コーナー入口まで内で我慢して、馬群がばらけた直線の入口でジェンティルドンナの後ろをキープ。上がりの競馬に持ち込めば勝機があるはずだったが、エンジンの掛かりが遅かったので最後までジェンティルドンナの穴だけを見る競馬に。勝負どころでついて行けるようになればこの馬ももっと強くなるでしょうね。



 レースは前半の1000m通過が62秒2で後半が58秒2と上がりの競馬になりタイム的には平凡だったが内容は濃かった。レースには流れがあったりコースの違いがあったりして絶対はないが、ジェンティルドンナの強さだけは間違いないと思っていた。負けるとしたら展開のアヤぐらいかと思っていたが、それがあと少しで現実のものとなるところだった。最後はジェンティルドンナの地力が勝ったという事だろ。



 レースの流れを作ったのも、レースを面白くしたのも、見応えあるレースにしたのも地方出身の騎手。彼らのおかげで競馬が面白くなったのは間違いないだろう。彼らがいなければ単なる社台祭りで終わってしまったからね。





秋華賞の結果






秋華賞のゴール前





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