傍観罪で終身刑 – 栴檀は新馬より芳しにて「新馬戦着順別・競走馬成績追跡データ集計」という興味深いデータがアップされた。これを見ると新馬戦を勝つか勝たないかでその後の出世が大きく変わってしまっているのが分かる。新馬戦は永遠の未勝利馬と未来のG1馬が一緒に走るレースだから当然能力の優劣がハッキリ出てしまう。だからといって新馬で負けた馬がG1馬になれないかと言ったらそうではない。新馬戦で負けても人気を背負って負けたのならその馬は巻き返してくる。新馬戦で人気になるような馬は厩舎期待の馬が多く、競馬関係者が見て「走る」と思うから人気になるわけで、新馬で負けてもその後勝ち上がって来るケースが多い。
そこで、2002年から2006年の過去5年の重賞1着馬(2、3歳戦及び障害は除く)のデビュー戦の成績を調べてみた。5年間で計384レース(芝324、ダート60)で226頭の勝ち馬がいた。ここから地方馬2頭と外国馬6頭を除く218頭のデビュー戦の結果は
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 総数 | データ数 |
---|---|---|---|---|---|---|
新馬 | 76- 39- 26- 18- 9- 32/200 | 38.0% | 57.5% | 70.5% | 200 | 93.0% |
未勝利 | 4- 3- 2- 0- 0- 5/ 14 | 28.6% | 50.0% | 64.3% | 14 | 6.5% |
500万下 | 0- 0- 1- 0- 0- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 1 | 0.5% |
218頭のうち3頭は地方デビューだったので集計は出来なかったが、残りの215頭をみると新馬戦1着の馬は1/3以上で、3着以内に2/3以上がいた。この結果を見ると重賞を勝つような馬は新馬戦で3着以内に入っていることが分かった。それと、デビューが遅れて未勝利戦からデビューした馬で重賞を勝ったのは14頭で6.5%にすぎなかった。500万下デビューとなるとたった1頭でブロードアピールだけだった。
今度はG1レースに絞って集計してみた。外国馬が勝ったレースを除くと5年間で55レースあり37頭の勝ち馬がいた。地方デビューのトウカイポイントを除く36頭のデビュー戦を見ると
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 総数 | データ数 |
---|---|---|---|---|---|---|
新馬 | 19- 4- 4- 2- 0- 5/34 | 55.9% | 67.6% | 79.4% | 34 | 94.4% |
未勝利 | 1- 0- 0- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 2 | 5.6% |
新馬戦を勝った馬は全体の半数以上で、思ったほど多くはないが3着以内ということではあれば3/4以上となっている。新馬戦も残すところあと2週で終了。ここに出走出来ない馬は重賞勝ちが遠くなってしまうと言うことかも。
これが馬券作戦に繋がればいいけど、そうもいかないのが現実。まあ、知らないよりは知っていた方がいいという程度で頭の片隅に入れておこうと思う。ちなみに今年最初のG1フェブラリーSで勝ったサンライズバッカスはデビュー戦15着でしたがその時は芝を使われての事で、その後ダートで4連勝して活躍していた。こういうパターンの馬にはアロンダイトやカネヒキリなどがいた。
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